先生ブログ
*時はきた ~バトンブログ(鈴木)「私が紹介したい印象に残った本」~*
鈴木啓子
2012年11月13日 0:15
こんにちは!講師の鈴木です。
中山先生からバトンを受け取りました。
ホームランを打てるかわかりませんが、小笠原選手のようにフルスイングして頑張ります!!
私が紹介したい印象に残った本は「葉っぱのフレディ -いのちの旅- 」です。
私がこの本を最初に読んだのは中学3年生のときです。
英語の教科書のリーディングの単元で読み、日本語版も読んでみたいというのがきっかけでした。
本自体は絵本なので、一気に読み通すことができるのですが、改めて読み直すと考えさせられる深いお話なんですよね。
このお話の主人公は大きな太い枝に生まれた、葉っぱのフレディです。
そして重要な人物が、彼の親友であり、物知りであるダニエルです。
この2人の会話を通して、「生きるとはどういうことか」「死とはなにか」を考えさせられるお話です。
春に生まれたフレディは、数えきれないほどの葉っぱに取り囲まれていました。
フレディはダニエルから、自分達が木の葉っぱだということ、めぐりめぐる季節のことなど、色々なことを教わります。
最初は、葉っぱはどれも自分と同じ形だと思っていましたが、やがてみんな同じではないことに気がつきます。
夏の間は、仲間と楽しく過ごしたり、人間のために木陰をつくってあげたりしました。
秋が来ると、葉っぱたちは一気に紅葉し、それぞれ違う色に色づいていきます。
そして季節は廻って冬になります。ダニエルはフレディにある日、「引っ越し」をしなければならないと言いました。冬になると、どんな葉っぱも落葉していくのです。
もちろんフレディは引っ越しの意味が分かっていません。
周りの仲間に「その時」が訪れ、みんな地面に落葉していきます。
最後はフレディとダニエルが残りました。
そこでフレディは引っ越しが「死ぬ」ことではないのかと考えます。
フレディは「死ぬ」ことを怖がりました。
「ぼくはここにいたいよ。死ぬのが怖いよ。」とフレディはダニエルに言います。
ダニエルはフレディに、優しくいのちについて説きます。
「いつかは死ぬさ。でも”いのち”は永遠に生きているのだよ。」
「死ぬということも、変わることの一つなのだよ」
地面に落ちた葉は土にかえり、肥料となり、また新たな命を生みます。
そのことをダニエルはフレディへ伝えて、先に落ちていきました。
フレディはとうとう1人になってしまいました。でも、もう怖くはありません。
最後に、ふわふわした雪の上に落ちていきました。
そのときにフレディは初めて自分の育った木を見るのですが、とても大きく、太い幹の立派な木だったのです。
フレディは命は永遠に続くものなんだ、ぼくはまたこの木のために生まれ変わるんだと安心して眠りにつきました。
亡くなってしまう命もあるけれど、生まれゆく命もある。
輪廻転生について描かれたお話です。
当時中3の私にとっては冬の場面はとても印象に残った場面でした。
祖父を小学生のときに亡くし、私は「死」とは怖いものであり、
考えたくもない存在でした。
15歳に成長し、それなりに理解できるようになったとき、
この本を読んで再び「生」と「死」について考えるきっかけができました。
今までは「死」は怖いものだと考えていたけれど、
命は形が変わっても永遠に続いていくものだと、
自分の中で考え方が変わったような気がします。
今の時代、人の「命」を軽視する時代になってしまい、
日々耳を塞ぎたくなるようなニュースばかりが世の中にあふれています。
テレビゲームでも、簡単にボタン1つでリセットすることができ、
子どもたちの感情の中でも、すぐに1からやりなおせるという誤解もまかり通っています。
命は当たり前にありすぎて、その大切さを見失いがちだと思います。
子どもたちにとって、「生」と「死」について考えるということは、
難しいことかもしれません。
大人でさえ、自分の答えを出せない人はいくらでもいます。
でも、こんな時代だからこそ、子どもたち一人ひとりに命について真剣に考えてほしいと私たちは願っています。
なので、当塾に通う辻小学校、辻南小学校、文蔵小学校、南浦和小学校、岸町小学校、別所小学校、大谷場小学校、高砂小学校、
南浦和中学校、内谷中学校、白幡中学校、 岸中学校、大谷場中学校の児童生徒のみなさん。
気が向いたら読んでみてください。感想待ってます。
さて、次のバトンは駿英専属デザイナーの白井先生ですよ。
センスが光る白井先生は、どんな本を読んで美的センスを高めているのでしょうか。
乞うご期待!!
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