先生ブログ
<人の成功を支えてくれるもの③>
坂本英司(木崎校舎塾長)
2015年07月05日 3:23
こんにちは。
坂本英司です。
あなたにはハマっているものがありますか?
ある場合は大切にしてくださいね。
何かに対するこだわりは、いずれなくなったとしても
集中力・継続力に変換されて自分の中に蓄積されます。
そして、また新しいこだわりができた時に
きっとその経験は活かされると思います。
それでは第3章に進みます。
(第1章、第2章を未読の場合はそちらからお読みください)
<第3章>
それからAの行動は明らかに変わった。
自分を変えようと学校帰りに本屋に立ち寄り、
いろいろな情報を仕入れるようになったのだ。
特に「偉人」と呼ばれる人の伝記を片っ端から読み漁り、
どうすれば過去の失敗を克服できるかを研究した。
「過ちがないことではなく、過ちを改めることを重んじよ…吉田松陰。」
周りの生徒たちはAが授業中に勉強もせず、
ひたすら伝記や歴史、政治や経済に関する本を読んでいるのを見て
さぞ不思議だったに違いない。
しかし、Aは日常に色彩が蘇ってきたことを確かに感じていた。
好奇心いっぱいで走り回っていた小さな子供の頃のように。
数十冊を読み終えたAは、以下の結論に達した。
① 自分の生きる目的は社会の効用を高めることである
② 市場経済では他者の有していない知識・技能を
身に付けた者が社会の効用をより高めることができる
③ 他者の有していない知識・技能に到達する手段として
上位の大学に入ることが望ましい
④ 上位の大学に入るための手段として
上位の高校に入ることが望ましい
⑤ 今までは単に力を溜めていただけだ。
今後は誰よりも努力して必ず上位の高校に入る!
2年生の終わり、木々が緑に染まり始めた頃、
Aは不良グループに伝えた。
「俺、市立浦和を目指す。」
彼らはすこし驚いた後、笑って言った。
「へっ?いやいや、無理っしょ!どんな冗談だよ。」
「たしかにお前、頭の回転は速いけどさ。普通に無理だろ。」
「てか勉強とかマジ無理。てか今日ドコ行く?」
Aは言った。
「いや、本気なんだ。これからはあまり時間とれない。」
「ふーん。とりあえず今日は××集合な」
それからAは放課後に不良グループと関わることはなかった。
3年生になってから、Aは担任にも伝えた。
「俺、市立浦和を受けたいんです。」
「うーん、とりあえず学校でのキミの印象をどうにかしないと。
素行が改善されたと見なされるまでは調査書は出せないよ。
そもそも今の内申点じゃかなり厳しいだろう。」
「態度なら変えます。厳しくても受けたいんです!お願いします。」
「うーん。。」
Aは進路について周りの同級生にはほとんど相談しなかった。
しかし、Aの受験を本気で応援してくれた人も何人かはいた。
(第4章に続く)