先生ブログ
七夕にまつわるお話<後編>
坂本英司(木崎校舎塾長)
2015年07月09日 3:13
こんにちは。
坂本英司です。
夏期講習の日程が決まりました。
みなさんに順次スケジュールを配布します。
今年から夏期は木崎校舎でも合宿をすることになりました。
合宿は自分の将来を見つめ直す機会でもあります。
勉強が必要な理由なんて外からいくらでも与えることができます。
しかし、大切なのは自分なりに考え、納得することです。
それでは後編に進みます。
<後編>
天の川っていったい何でできているのでしょうか?
数え切れないほどのたくさんの星・・正解です。
ただ、それ以上のことは学校でもあまり教わりませんね。
では、もう少し深く理解していきましょう。
たくさんの星の集まりのことを「銀河」と呼びますが、
1つの銀河には太陽並の星が約1000億個も集まっています。
また、宇宙の中で星は何かしらの銀河に所属しており、
そのような銀河が宇宙の中には無数に存在するのです。
ということは、地球がある太陽系も特定の銀河に所属していると言えます。
太陽系が所属している銀河を「銀河系」または「天の川銀河」と呼びます。
そう、夏の天の川は太陽系が所属している銀河の中心部だったのです。
ちなみに銀河系をセパレートコースで例えると、
太陽系は真ん中くらいのレーンを走っていることになります。
そのため、夏の天の川は銀河の内側方面を見ており、
冬の天の川は銀河の外側方面を見ていることになります。
太陽系は銀河系に所属する星の集まりのたった1つにすぎないのです。
宇宙って想像できないほど壮大ですね!
このことは、現代では「科学の父」と称されるガリレイが、
17世紀初めに発明されたばかりの望遠鏡を使って発見しました。
これは当時のヨーロッパ社会に大きな衝撃をもたらしました。
なぜなら、16世紀にコペルニクスが唱えた「地動説」が
真実であったという証拠になってしまうからです。
地動説は、ルターを筆頭とするキリスト教一派であるプロテスタントにより、
聖書を根拠にして完全に否定されていました。
なぜ地動説は否定されなければならなかったのでしょうか?
ヨーロッパのキリスト教会は、神の言葉である聖書に記されている通り、
宇宙の中心は神が住む地球であるという「天動説」を主張していました。
しかし、地球どころか太陽でさえ、ちっぽけな星くずの1つだという地動説が
正しいとなれば、全知全能である神が間違いを犯したことになるのです。
すなわち、キリスト教会がインチキ集団だということになってしまいます。
こうしてガリレイはローマ・カトリックの教徒でありながら、
ローマ教会から集中砲火にあうことになります。
さて、彼は自分の主張と聖書の記述を矛盾させずに両立させるため、
どういう主張をしたのでしょうか?
気になる方は「ガリレオ裁判」で検索してみてください。
このように1つの分野に沿って色々な方向に進んでいくことで
国語⇒理科⇒歴史と他の分野にも出会っていくのです。
「天の川って英語で何?そもそも七夕って世界共通かな?」
「銀河って東京ドーム何個分くらいかな?」
こういう風に興味を持っていくと、様々な学問がミルフィーユのように
重なり合い、知識に厚みが増していくのです。
ひとつの道を究めていくと、その先で他の道が拓けていくのです。
余談ですが、現代では今月を「7月」と呼びます。
これを和名では「文月(ふみづき)」と呼んでいました。
それは、七夕で短冊に願い事の「文(ふみ)」を書くからだと考えられます。
ある人はこう言いました。
「地上の宝石は全人類で分けるには少なすぎる。
だから彼らはその輝きを奪い合う。
でも、天上の宝石は全生物で分けても多すぎる。
だから僕たちはこの輝きを分かち合う。」
宇宙を飾る数えきれないほどの命のきらめき。
ほんのすこし時間がずれただけで、
ほんのすこし軌道がずれただけで、
私たちが巡り会うことはなかったはずです。
あなたには会いたいと願っても一生会えない人がいますか?
笑顔の出会いがあれば、いつか涙の別れがやってきます。
歳月を重ねるにつれ、そういう日が必ずやってきます。
1年に1度、身近にいる人の幸せを短冊に託す。
そんな夕暮れがあってもいいと思いませんか?