先生ブログ
耳学問
山本直樹
2016年02月23日 20:48
先日、中学生のテスト対策で古文を扱いました。
中学生は古典文法に対する知識がほとんどないにも関わらず
内容を理解しなければなりせん。
ですからそのような場合、私は教えるときに
「注釈(※)と現代でも使われる言葉を駆使して訳しなさい」
と言っています。
知らない単語や助詞・助動詞は無視して考えさせます。
この内容理解をする際に大きな差になってくるのが
「現代でも使われている言葉」です。いわゆる語彙ですね。
私も解説中に「今でも〇〇っていうでしょ?」や「〇〇っていう歌の歌詞にも出てくるでしょ?」
と投げかけた時に反応がマチマチなんですね。
やはり、これまでどれくらいの言葉と接してきたかによって変わるようです。
例えば私が幼少期の頃はテレビは1台しかなく、子どもの私や妹にはチャンネルの選択権はありませんでした。。
我が家で夜見ていたテレビといえば、野球か大河ドラマでしたね。
どちらも全く面白いとは思えませんでしたので熱心には見ていませんでしたが
自然と言葉は耳に入ってくるもので、野球の用語などは一通り覚えていましたね。
同様に古語もぼんやりながらも聞いているうちにある程度の日常語に近いものは覚えていたと思います。
例えば「ゆめゆめ~な」という言い方などは高校生の時に「禁止を意味する副詞」と学びましたが、
何かの作品の台詞であった「ゆめゆめ忘れるでないぞ」という表現をアバウトに解釈していたため、「そんなの習う前から知っているでしょ。」と思ったものです。
高校生になり古典の勉強が始まると大変ではありましたが周囲の友人たちが言う
「古文は外国語みたいなもん」や「200個とか単語覚えるの無理!」
ほど苦労はしませんでした。
その時は気づいてはいませんでしたが、今振り返ってみると幼少期の家庭環境の影響だなと感じます。(とはいっても我が家の父、母が私を教育するために見せたわけではなく、彼らが好きで見ていただけです)
現在、二人の子供がいる我が家ではどうかといいますと、夜はバラエティー番組の垂れ流しです。これは、これでどんな子に成長するのか楽しみではありますが...
そして、子ども達が寝静まった後に私は溜まっているいる大河ドラマや映画を見るのです。
何ということでしょう。大人になってもチャンネルの選択権がないなんて!!
子どもに遠慮することなく、大人の番組に付き合わせることも子ども達に
良い影響を与えるのかなと、ふと先日の授業中に思いました。