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先生ブログ

【東京学芸大附属中】国際バカロレア(IB)教育研究会に出席しました

坂本英司(木崎校舎塾長)

2016年06月18日 0:39

こんにちは。 坂本英司です。 年度初めよりバタバタしていて長らく更新が途絶えていましたが、元気です。 元気すぎてパソコンと向き合う時間があまり取れていませんでした。  さて、本日はグローバル化社会に生きる素質・能力の育成研究ということで、 東京学芸大附属中主催「国際バカロレア(IB)教育研究会」に出席しました。 今後の学校教育のトレンドを捉えていく上での参考になるので、 みなさまに共有したいと筆を執った(PCを起動した)次第です。 本来の今回のテーマ(「我慢すること」)を飛ばして先にお伝えします。 文部科学省主導による2020年度の教育制度改革を語るキーワードとして、 以下の5点が挙げられます。 ①高・大接続 ②ICT教育 ③プログラミング教育 ④グローバル教育 ⑤アクティブ・ラーニング この中で、④・⑤に関して前衛的な教育を進めているのが、 東京学芸大附属国際中学校/高校です。 今後、 グローバル教育のスタンダードは当校から生まれると考えられます。 そこで、どのような取り組みをしているか、具体例を交えてお伝えします。 本日、私が出席した授業は「理社横断授業」です。 これはあるキーワードに対してテーマを設定し、 理科的切り口・社会的切り口の両面から考察しようとする試みです。 今回のキーワードは「水俣病」でした。 「水俣病」は戦後の「高度経済成長期」「熊本」で起こった「公害」です。 今までの学校教育ではこれらの用語を暗記して終わっていたはずです。 しかし、その背景には企業利益・地域振興・国策・社会福祉など、 様々な要素と人として生きていく上での葛藤が渦巻いています。 私たちは日本で起きた公害についてどこまで理解できているのでしょうか? 理科の授業でのテーマは「科学者はどこまで責任を負うべきか」でした。 個人で考え、班でブレスト(*)した後、 全体でディスカッションをしました。 生徒たちからは 「アセトアルデヒドの生成過程で安全確認をしなかった科学者が悪い」 「科学者がすべての影響を調査しきれないから企業側が把握すべき」 「国からの圧力がかかっていたため仕方がなかったのかもしれない」 「科学技術が日本の高度経済成長を支えるための下支えになった」 など、それぞれチッソの関係者からの立場をふまえた意見が出されました。 このような意見が出るのも、それまでに化学式を基にしたメチル水銀の発生、 水質汚濁を阻止できなかった原因、食物連鎖による生物濃縮など、 生徒が教科書の学習範囲を超えて自主的に学習してきたからに他なりません。 主体的に学ぶには、今の社会にもリンクする「問い」の設定が重要なのです。   前半は研究者のあるべき姿や経済活動についての話し合いがメインでした。 しかし、終盤になると生徒からこのような意見が出ます。 「人の命や生活に関わるから、結果に対しては責任を持つべきだ」 「いくら把握しきれなかったとはいえ、知らなかったでは済まされない」 このような流れの中で時間がきて理科の授業は終わりました。 私が素晴らしいと感じたのは、ここからの社会への展開です。 ~次回に続く~ ※ブレスト:「ブレインストーミング」の略。 ブレインストーミングとは、集団でアイデアを出し合うことによって相互交錯の連鎖反応や発想の誘発を期待する技法のこと。ブレインストーミングの過程では、次の4原則(ルール)を守ることとされている。 <ブレインストーミングの4原則> ①判断・結論を出さない ②粗野な考えを歓迎する ③量を重視する ④アイディアを結合し発展させる
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