先生ブログ
便利さを追求した社会
2018年06月15日 15:11
こんにちは。
講師の山本です。
何かタイトルが大仰になってしまいましたが、そんな大した話ではありません。
先日、我が家の子どもたちがゲームセンターでゲームをやりたいということで連れて行くことになりました。(娘は「プリパラ」で息子は「仮面ライダー」でどちらもカードのようなものが景品に出てくるゲームです。これを見ている保護者の方なら「ああ、あれか。うちの子もよくやってた」と思うかもしれませんね)
我が家では、ゲームなどの娯楽は子どもたちのお小遣いから出させるようにしていまして、その日も出かける前にそれぞれのお財布の中身を確認したんです。
娘の財布の小銭入れには100円玉・・2枚 50円玉・・2枚 10円玉・・16枚
5円玉・・4枚 1円・・8枚の計488円が入っていましたが、うーん気持ち悪いですね。私も思わず「お前買い物の仕方が下手だな!」と言ってしまいました。
確かに、うちの娘はまだ小学3年生で4桁や3桁の「足し算」「引き算」は習ったばかり(もしかしたらまだ習ってないかも)ですし、筆算も頭の中では瞬時にはできないでしょう。これは訓練が必要ですからね。でも、端数ぐらいは一緒に払いますよね。別に「160円の会計に210円払って50円お釣りをもらえ」という高度なことを求めているわけではありません。
自分自身を思い返してみてもお金を払うときは「端数」を一緒に払うというのは小学生の頃からやっていたんですよね。消費税3パーセントが導入され「ビックリマンチョコ」が2個60円で変えなくなってしまいましたからね。100円と1円玉数枚を握りしめて週に3回スーパーに行ってましたよ。(週に3回、1日2個までが我が家のビックリマンルールでした)
では、この端数を一緒に払うという行為はどこで覚えたのか?それは日常的に両親とよく一緒に買い物に行き、その姿を見ていたとともに「なんで、小銭も一緒に出すの?」と聞き「その方がお釣りが減るから」と教えてもらったからです。だから、幼い私も「そういうもんか」と考え端数と同じ枚数の硬貨があるときは、一緒に出すようにしていたのです。
ということを思い出したので、娘にも「ママと一緒に買い物に行くだろ。そうしたら、お札と小銭を一緒に払うの見るだろ?そういう風にすればこんなにパンパンな財布にならないんだよ。」と教えてあげたわけです。うん、いいことをしてあげました。
すると娘は「ママ、いつも買い物時カードだもん。お金なんて出さないよ」
おお、何てことでしょう!!確かにそうだ。家の近所のスーパーでは電子マネーのポイントカード(そっちの方がポイントが貯まる!)家の近所のセブンイレブンでもナナコのカード(これもポイントが貯まる!!)遠く離れたイオンに行けばここでもワオンだかイオンカードだかで会計(これまたポイントが!!!)先日行ったスターバックスではスマホでお支払い(何てハイテク!!!!)買い物上手の妻ですね。
いや、そんなことが言いたいのではなく、「こんな便利な世の中になると子どもが身近な生活の中で学習する機会を失わせていきますね。」ということです。
以前、割合の計算ができない中学生がいまして、その子に計算方法を教え練習をさせている中で
私 「A君、将来、自分の子どもが『198円のお菓子をが欲しいからお金をちょうだい』っていってきたら、いくら渡すんだ?その時計算できなかったら親として恰好悪いだろ。」
A君「500円渡しとば大丈夫です!!」
私「得意げな顔して何をバカみたいなこと言ってんだ。」
というようなやり取りがありましたが、今後は「カード渡しとけば大丈夫!!」みたいになっていくかもしれませんね。
私は、国語の授業の中でしばしば「人間は賢くなって便利な世の中を作ってきたが、その便利さのせいで能力が衰えてきてしまっているきがする」というような話をしています。それを、痛感させる出来事でした。