先生ブログ
中学英語の今(2)
山本直樹
2021年05月24日 19:08
こんにちは。
講師の山本です。
本日も「中学英語の今」についてお送りしたいと思います。
さて今回は、実際に中学1年生が今年から使っている教科書をご覧いただき、
どのような授業が行われているのかを知っていただこうと思います。
こちらは中学1年生の教科書「program1」の本文です。
英語の最初の単元である「be動詞」の使い方です。
「I」の時は「am」を「you」の時は「are」をセットで使いましょう。
「名詞」前には「a」か「an」を置きましょう。
といった内容ですね。いつも通りに授業準備をしていると
目を疑いました。
「お気づきになられたでしょうか?」
「もう一度ごらんください」
なんか「しれっと」いますね。場違いな奴が…
なんですかね…
彼女ならならきっと
「森へお帰り。ここはお前の住む世界じゃないのよ。」
と言ってくれたでしょう。
そういう人が周りにいなかったのでしょうね。かわいそうに…
さて、困りました。
さっきまでは、
「とりあえず「I」の後ろは「am」をつけろ」と教わっていたのに、
もう例外が出てきてしまっています。
「be動詞」の使い方をまずは完璧にしたいのに「一般動詞」どころか「不定詞」「命令文」って飛躍しすぎじゃないですか⁉
偉い人がどのような意図でこれを盛り込んだのか定かではありませんが
「小学校の授業で出てきた表現なので知ってますよね⁉」
という前提で挿入されているのでしょう。
小学校までは「口語表現」として英語のフレーズを覚えてきました。
今回で言うなら
先生 「『I want to~』で『私は~をしたい』という文が作れます!」
「みんながやりたいこと英語にしてみよう!!」
先生 「相手に『何かしよう』と誘うときは『Let’s~』を使います。
「英語で隣の子を誘ってみよう!!」
といった感じでしょうか?
しかし、中学からは一転「文法理解」が求められます。だからこそ、試験には「和訳」
・「並べ替え問題」・「英作文」が出題されるわけです。
本来であれば、「I want to go to the gym」も「Let’s go」も
どういう理屈でできている文なのかを説明しなければなりません。
ですが、先述した通りここは「be動詞の使い方」を
マスターすることの方が先決です。
ここで、「一般動詞」だの「不定詞」だの「命令文」だのやれば混乱するだけで
何も身に付きません。ここは、スルーです。
英語の授業をしていて、こんなドラマやアニメのようなセリフを
言う日が来るとは思いもよりませんでした。
「いずれ分かる日が来る」「今はまだその時ではない。」
このような、小中で連携しているであろう前提の表現は
この後も出てくることになります。小学校のうちに身についている子は
さほど苦も無く受け入れることができますが、
そうでない子には、難解な授業・本文となるはずです。
ちなみに、私が5年生から2年間英語の指導をしてきた子は、「不定詞」の
使用方法は理解していますので、すんなり受け入れています。
このような英語教育の転換期に際し、駿英ゼミナールでは小学生から高校生までの一貫した指導カリキュラムを確立していきます。
入り口となる小学生にはこれまで見てきた、中学英語への橋渡しとなるよう語彙力・表現力を身につけさせていきます。
次回は、中学での「躓きポイント」を踏まえた小学生英語の
具体的な指導についてご紹介いたします。