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先生ブログ

全ての受験が終わりました

代表

2016年03月11日 23:26

中山です。 みなさんお疲れ様でした。 今回が初めての受験だった高校受験生と中学受験生。自分の将来やりたいことから逆算して受験校を選んだ大学受験生。みなさん よく頑張ったと思います。 良い結果も納得いかなかった結果も、あくまで通過点です。 君たちの人生は ここからがスタート、 まだスタートですらないのかもしれません。   ここから土台を作って行きましょう。 その為にも 次回に向けての課題を考えて 今回の経験を自分を成長させるための糧にして行くことが大事です。 結果ではなく、プロセスが重要です。 ただ、それとは逆にある一時期から歩みを止めてしまう人たちがいます。 「〇〇高校に受かった」「××大学に受かった」 これを自分の人生のハイライトにしてしまう人たちがいます。   芥川龍之介の短編の作品で「舞踏会」という作品があります。 初めて読んだのが中学2年生のころで、その後も思い出すようにたまに手にとって読んでしまう作品の一つですが、年齢を経て再読してもに芥川龍之介の徹底した客観的な目線の置き方と、豪華絢爛と言っていい情景描写の鮮やかさにはいつも圧倒されるばかりです。 ただ、内容としても非常に奥深い作品なので、皆さん気になったら是非読んでみて下さい。 ネタバレしますが、 内容としては 明治時代の鹿鳴館で舞踏会デビューする15歳の女の子が 舞踏会でフランス人の将校に誘われてダンスを踊る、花火を眺める。それだけの話です。 ただ、この作品の意地悪なところは、 実はこの話はおばあさんが回想録で語っているという設定ということが終盤分かるというところです。 更に、おばあさんが 列車で乗り合わせた若い男性に 何十年も前に自分が舞踏会デビューした時の話をしていたという落ちなんですね。 そして話を聞いていた若い男性は「その将校はピエル・ロティじゃありませんか」と突っ込みを入れます。 つまりおばあさんが若いころに踊った若い将校は今では有名な作家として活躍しているということなんです。ですが、おばあさんは「そんな名前ではなかったわ」と言って 作品は終わります。 これは何を意味しているのかというと ①おばあさんにとっては 鹿鳴館デビューした16歳のころは 何十年経っても 「昨日のことのように」覚えている人生のハイライトであり、逆に言えばその後の人生においてそれ以上の出来事はなかったということ。 ②更に 初めて乗り合わせた 若い青年に そんな話をしてしまうと言うことは、いままでに「何度も何度も繰り返し」話をしてきた内容であり ③さらには 当時 知識階級であれば知っているはずの ロティとその将校が 同一人物であったと言う「客観性も」入る余地がないほどに 鹿鳴館での出来事は 固定化されて美化されている   ということです。 この話は たった数ページの中に「空白の何十年」があるということや、短い人生の儚さを 感じ取れる という感傷的な一面もありますが、 私が特に考えてしまうのは 「過去に住む人間」と「現在に住む人間」がいるということを突き付けてくる作品だと言うことです。 この2者の差は恐らくそんなに難しいことではなく、   「昔良かった時の自分」=「今の自分」 という場所で止まってしまっている人なのか 「次に向かって歩いている自分」=「今の自分」になっている人なのか (「昔の自分」はもう過去のことになっている) の差なのだと思います。 話が一番最初に戻ります。 「〇〇高校に受かった」「××大学に受かった」 これを自分の人生のハイライトにしてしまう人たちがいます。という話です。   できれば うちの生徒の皆さんには そんなつまらない人間になって欲しくない、つまらない人生を送って欲しくない、というのが 私の願いです。 年を取っていくということは 年齢だけがすべてなのではないのでしょう。 いつまでも 若々しく エネルギーにあふれている人と、実年齢は若くても 若さも元気もなくくたびれている人との差は 「過去の実績」との距離の取りかたなのではないかと思います。つまり 過去を美化せずに 現在の自分を成長させ続けているのか否かということです。 私の知り合いに「会社のぐち」と「過去の大学時代」の話ばかりするようになってしまった人間がいます。 学生時代は そんなことはなかったのですが、社会人になってからはもう駄目です。 一度友人の結婚式で会いましたがもう個人的に会うことはないと思います。 昔は 人間的な魅力も多く持っていた人間でしたが、過去で自分への評価が止まっている時点で、成長していないんです。 ですから良い結果も、悪い結果も 重要なのは結果自体ではなく それを 「どう受け止めて」 「どう次に活かしてゆくのか」 こういった思考回路をもって 常にゴール設定を先に作ってゆけることが最も重要なのだと思います。   「勝利も敗戦も価値が決まるのは、20年先から振り返った時である。20年先からの目線を獲得するために我々は学習し続ける必要があるのだ」 BY 曹操孟徳   長々と書いてしまいましたが とりあえず皆さんお疲れ様でした。皆さんの頑張ってきたプロセスは私の誇りです。 今後も楽しみにしていますよ
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